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発明の名称 ナノ粒子を有効成分とする皮膚炎の治療又は予防剤 

2021.4.20

発明の名称 ナノ粒子を有効成分とする皮膚炎の治療又は予防剤

出願日 2016年01月27日   登録日 2021年03月05日

 

課題・解決手段

アトピー性皮膚炎等の皮膚炎を治療又は予防できる新規な手段が開示されている。本発明による皮膚炎の治療又は予防剤は、アミノ酸、アミノ酸誘導体、並びにそれらのオリゴマー及びポリマーからなる群より選択される少なくとも1種を含み、平均粒径が1000nm未満であるシアノアクリレートポリマー粒子(アミノ酸系分子含有ナノ粒子)を有効成分として含有する。アミノ酸系分子含有ナノ粒子は、I型とIV型のアレルギー反応を抑制する作用を有するので、例えばI型アレルギー反応又はIV型アレルギー反応が関与する皮膚炎等のアレルギー症状の治療又は予防剤としても有用である。

 

背景

アトピー性皮膚炎は、日本国内でも有病率が高い皮膚疾患である。近年増加傾向にあり、患者は多くの精神的・身体的苦痛を強いられる。

アトピー性皮膚炎の薬物療法の基本は、重症度に合わせた強度のステロイド外用薬、カルシニューリン阻害外用薬、必要に応じて抗ヒスタミン・抗アレルギー内服薬が併用され、最重症の場合にはさらに必要に応じてステロイド内服薬、カルシニューリン阻害内服薬が用いられる。しかしながら、ステロイド剤の大量連用による副作用を恐れてステロイド剤を忌避する患者が多く、また免疫抑制による易感染性の問題もあるため、新たな治療手段が求められている。

 

目的

本発明は、アトピー性皮膚炎等の皮膚炎を治療又は予防できる新規な手段を提供する

 

実施例

ナノ粒子水を噴霧した群では、皮膚炎症スコア値は水噴霧群・非噴霧群のそれよりも低値であった。皮膚炎症スコア値は、免疫応答性の指標である両耳介の肥厚化のみならず、皮膚バリア機能の指標である背部皮膚水分蒸散量と保水度にも関連性が認められた。
ナノ粒子水噴霧群の場合は、表皮増殖関連のサイトカインはTh17細胞系とともに発現し、一方、水噴霧群・噴霧なし群の場合は、皮膚ダメージ関連シグナルを介して発現することが示唆された。
ナノ粒子水噴霧群の表在細菌数は他の3群と比べて一定の低値に制御されていた。ナノ粒子水噴霧による表在細菌数制御は、皮膚バリア性の向上との相乗効果により、血清中の抗S.aureusIgG抗体の減少をもたらした。以上の結果より、ナノ粒子水噴霧は皮膚バリア機能の向上と表在細菌数制御の関与する免疫応答とを介して皮膚炎症反応を制御することが示唆された。

ナノ粒子を有効成分とする皮膚炎の治療又は予防剤

 

抗菌ナノ生活PRO/除菌・抗菌水

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